美容師として独立を考えるとき、最初に迷うのが「どこで独立するか」ではないでしょうか。
たとえば独立の形(シェアサロン・面貸し・自分の店舗)や、立地(都心か郊外か)など、選択肢が多く迷ってしまう方も多いと思います。

実際、私自身も6年前に独立を経験しましたが、最も悩んだのは『独立する場所選び』でした。
経験を通じて感じたのは、独立の「立地」や「形態」によって、集客力・売上・働きやすさが大きく変わるということです。
この記事では「お客様にとって通いやすい場所を選びたいけれど、自分の負担も減らしたい」と悩む美容師の方に向けて、私の体験談を交えながら独立しやすい場所とその選び方を具体的に解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
【オススメ3選】美容師が独立しやすい場所とは?

まず美容師が独立しやすい場所(独立の形|シェアサロン・面貸し・自分の店舗)を解説します。
基本的に美容師の独立場所は大きく3つに分かれます。
もっとも現実的なのがシェアサロン、次に面貸し、そして難易度が高い完全独立型の自分の店舗です。
オススメ順にご紹介します。
オススメ度★★★|シェアサロンを活用して独立を始める
シェアサロンは、美容師がもっとも低リスクで独立を始められる独立方法です。
月額賃料など、初期費用を抑えながら、都心の好立地で働ける点が魅力といえます。
例えばEMANONシェアサロンの賃料は「月額固定25万円〜」「月3万円+売上20%〜」などで利用できます。
また内装費や光熱費が不要・シャンプー台、レジ周りの設備が充実しているため、開業リスクを最小限に抑えられる点も大きな利点です。
少ない資金で理想の働き方を試せる“トライアル独立”として、シェアサロンは最適な第一歩といえます。
オススメ度★★☆|昔の職場で面貸しして独立デビュー
面貸し(ミラーレンタル)は、信頼できる環境で独立を始めたい人におすすめの方法です。
以前の職場であれば設備や人間関係がわかっており、安心してスタートできます。
契約形態は業務委託で、店舗の一部を借りて自分の顧客を担当します。
売上の40〜60%をサロンに支払う歩合制のため、初期費用をほとんどかけずに始められる点が魅力です。
一方で、「歩合が高くて思ったより手元に残らない」という声もあります。
しかし、設備投資や家賃などの固定費が不要なため、収入の安定を保ちやすいのも事実。
「自由度が低いのでは」と感じる人もいるでしょうが、慣れた環境で働ける安心感は大きな強みです。
さらに、職場の集客力を活かせば新規顧客のチャンスも得られます。
厚生労働省の統計でも、美容師の独立・業務委託化は年々増加傾向にあります。
リスクを抑えながら独立を試したい人にとって、最初のステップとして最適な選択肢と言えるでしょう。
オススメ度★☆☆|自分の美容室を開業して完全独立へ
自分の店舗を持つことは、多くの美容師にとって憧れの最終ゴールです。
しかし同時に、もっともリスクの高い独立形態でもあります。
美容室の開業資金は、数百万円〜1,000万円以上。
特に都心部で開業する場合、家賃だけで月30〜50万円を超えることもあります。
「夢があるなら最初から開業を」と考える人もいますが、
現実には資金繰りの失敗で撤退するケースも少なくありません。
厚生労働省「衛生行政報告例(令和5年度)」によると、全国の美容所は27万件。
年度内では約1.5万件が新規開設、9000件が廃業しています。
さらに帝国データバンクの調査では、2024年の美容室倒産件数が過去最多の107件に達しました。
こうした現状を踏まえると、まずはシェアサロンや面貸しで顧客を安定させてから、自分の店舗へステップアップするのが堅実です。
完全独立は、経験・顧客基盤・資金の3つがそろってから挑むべき最終ステージ。
焦らず段階を踏むことで、夢の実現がより現実的になります。
それぞれに初期費用・リスク・自由度の違いがあるため、まずは全体像を比較してみましょう。
| 独立の形 | シェアサロン | 面貸し(業務委託) | 自分の店舗 |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 約3~25万円/月 | 初期費用ほぼゼロ | |
| リスク | 低い | 中程度 | 高い |
| 自由度 | 高い | 中程度 | 最高 |
| 向いてる人 | まず独立を試したい人 | 信頼できる環境で始めたい人 | 経験・資金が十分な人 |
| オススメ度 | ★★★ | ★★☆ | ★☆☆ |

このように比較すると、もっとも現実的に始めやすいのはシェアサロン。
次に、リスクを抑えて挑戦できる面貸し、そして最も難易度が高いのが自分の店舗を構える完全独立です。
美容師が独立する場所選びで失敗しないために考えるべきこと

美容師の独立で失敗しやすい理由のひとつが「感覚だけで場所を決めてしまうこと」です。
たとえば、 「自宅に近いから」「家賃が安いから」などの理由で決めてしまうと、お客様の通いやすさ(=顧客動線)とのズレが生じやすくなります。
このズレは、集客・リピート率の低下に直結するリスクがあります。
だからこそ、立地は感覚ではなく数字(家賃・顧客数・単価)で比較し、冷静に判断することが大切です。
一方で、「自分の通いやすさ」だけで決めるのもNG。
お客様にとってアクセスが悪ければ、リピートが減ってしまうこともあります。
逆に「お客様のために」と無理をしすぎると、今度は自分の体力や時間が削られ、結果的に長く続けられない働き方になってしまいます。

結局のところ、独立場所選びで大事なのは「顧客の通いやすさ」と「自分の働きやすさ」のバランスをとること」です!
感覚ではなく、データと現実を見ながら判断する冷静さが、独立を成功に導く最初のステップになります。
失敗しやすいパターン
- 「自分が通いやすい場所」を優先 → 顧客が通いにくくなる
- 「顧客目線だけ」で選ぶ → 自分の体力や効率が削られる
- 「家賃の安さ」で判断 → 集客が難しく結果的に損をする
成功する美容師が意識しているポイント
- 顧客動線(通いやすさ)を最優先にする
- 自分の体力・移動効率を犠牲にしない
- 顧客と自分、双方が無理なく続けられる環境を選ぶ
独立の場所選びは、「顧客動線 × 自分の働きやすさ」のバランスがすべてです。
どちらかを欠くと、長期的な成功は難しくなります。
美容師が独立出店する場所を決める3つの判断基準とは?

独立の場所を決めるときは、3つの軸を意識しましょう。
顧客動線、アクセスの良さ、家賃と売上のバランスです。
それぞれ解説していきます。
判断基準①|顧客動線を把握する
独立を成功させるうえで、最も重要なのは「お客様が通いやすい場所を選ぶこと」です。
とくに、独立前のサロンから顧客様を引き継げる場合は、お客様が普段どの駅やエリアを利用しているかを把握することが欠かせません。
独立後も来店してもらうには、生活動線上にお店を構えることがポイントです。
通勤・通学・買い物のついでに立ち寄れる立地であれば、自然とリピート率も高まります。
そのためにも、普段の会話やカルテのメモを活用し、お客様の「通勤経路」「乗り換え駅」「よく行く商業施設」などをさりげなく確認しておきましょう。
顧客の行動パターンを理解し、その動線上にサロンを置くこと。
それが、独立後の安定した集客の第一歩になります。
判断基準②|アクセスの良さ(駅徒歩5分以内・主要路線)
美容室を選ぶ理由の多くは「行きやすさ」にあります。
駅から近い立地や主要路線沿いは、安定した集客に欠かせません。
一方で、家賃の安さに惹かれて駅から離れた物件を選ぶケースもあります。
しかし、利便性を欠くと「また行きたい」という気持ちが薄れやすくなります。
都心のシェアサロンであれば、好立地を低コストで利用できる点が大きな強みです。
アクセスの良さは、リピート率を大きく左右する重要な要素と言えるでしょう。
判断基準③|家賃は売上目安の20〜30%に抑える
独立後にかかる家賃(またはシェアサロンの利用料)は、売上の20〜30%以内に収めるのが理想的です。
この比率を超えてしまうと、利益を圧迫し、継続的な運営が難しくなるケースもあります。
私自身の経験からも、以下のような目安で考えるとバランスが取りやすいと感じます。
- フリーランス(シェアサロン利用)
自分で集客し、材料費も自己負担する場合は、 家賃・利用料を 売上の20〜30%以内 に抑えるのが理想です。 - 業務委託(面貸しなど)
店舗側が集客や材料を負担してくれる場合は、 売上の30〜40%程度 を歩合として支払うのが適正範囲です。

独立初期は、想定よりも集客や売上が安定しないことが多いものです。
そのため、家賃や利用料は常に余裕を持った範囲で設定することが大切ですよ!
【独立6年目の体験談】3つの場所を利用してわかった“働きやすさ”の本質

ここでは、筆者自身が独立当初に吉祥寺・新宿・銀座の3拠点で働いた経験を紹介します。
この経験を通じて学んだのは「顧客の利便性」だけでなく「自分が心地よく働ける環境」も同じくらい重要だということです。

体験談を赤裸々にお話しします!参考になれば幸いです!
なぜ3拠点で働くことを選んだのか
独立直後は、「お客様に不便をかけたくない」という思いから、勤務エリアの異なる3つのシェアサロンを掛け持ちして働いていました。
新宿や銀座に勤めるお客様が、仕事帰りでも立ち寄りやすいように。
吉祥寺の常連様にも変わらず通っていただけるように。
結果として、多くのお客様が引き続き来店してくれ、信頼を維持できたと感じています。
また、地域ごとの客層や接客の違いを学べたことも、貴重な経験でした。
しかし、3拠点の運営は想像以上にハードだった
一方で、拠点を増やすほど体力・時間・経費の負担は大きくなりました。
移動や準備、商材の持ち運び、予約管理など、想像以上にタスクが増えていったのです。
とくに大変だったのは、カラー剤やトリートメントなどの商材を毎回持参する作業。
吉祥寺に保管していたため、施術内容によっては準備や片付けに多くの時間がかかりました。
その結果、急なメニュー変更に対応できず、柔軟なサービスを提供できないこともありました。
さらに、新宿・銀座では人気エリアゆえに席が確保できず、お客様の予約をお断りせざるを得ない場面もあり、申し訳なさを感じたこともあります。
交通費も積み重なり、経費として利益を圧迫。
今振り返れば、メニュー料金に交通費を上乗せしておくべきだったと強く感じます。
移動コストを甘く見積もると、独立後に大きな痛手になるということを実感しました。
拠点を一本化して得られた安定と余裕
最終的に、私は吉祥寺1拠点に絞る決断をしました。この判断により、移動時間が減り、施術の質とお客様との時間をより大切にできるようになりました。

売上は一時的に減ったものの、経費が減ったことで利益はむしろ安定。
力的にも精神的にも余裕が生まれ、仕事の満足度が大きく向上しました!
空いた時間は、SNS発信やライティングなど、美容師以外の活動にも使えるようになり、結果的にキャリアの幅も広がりました。
| 学び | 内容 |
|---|---|
| ① 移動負担は想像以上に大きい | 拠点はできるだけ絞ることで、体力・時間・コストを守れる。 |
| ② 経費は見落としやすい | 交通費や商材の運搬コストは必ず料金設計に含める。 |
| ③ 働きやすさは継続力に直結する | 無理のない環境を選ぶことで、仕事の質もモチベーションも長く保てる。 |
この体験から言えるのは、「顧客の利便性」だけで独立場所を選ばないこと。
“自分が続けられる働き方”を前提に設計することが、長く愛される美容師としての成功につながります。
最後に次の章では、私の経験則も踏まえ、美容師独立の場所選びで押さえておきたいチェックリストを作成しました。
【チェックリスト5選】失敗しない美容師の独立の場所選び

美容師独立の場所選びチェックリストを作成しました。美容師独立で失敗しないためにも、必ず押さえていただきたい5つの項目です。

私の美容師独立仲間でも、この5項目を整理できている美容師ほど、独立後の失敗リスクが低い傾向にありますよ!
チェックリスト
- 今の顧客はどのエリアから来ているか?
カルテやSNSのDM履歴などをもとに、来店エリアを把握しましょう。
顧客の生活動線(通勤・自宅・最寄り駅)を知ることが最初の一歩です。 - 理想のターゲットはどこに多いか?
得意なテイストや価格帯に合う層が多い地域を選ぶと、リピートにつながります。
SNS分析やホットペッパーなどの検索ボリュームを参考にするのも有効です。 - 駅からの距離は徒歩5分以内か?
アクセスの良さは集客・リピート率に直結します。
特に「雨の日でも来やすい距離」は顧客満足度を高めます。 - 物件はシェアサロンか?独立物件か?
初期費用・固定費・自由度のバランスを比較しましょう。
まずはシェアサロンで試してから独立物件に移行するのも現実的です。 - 家賃と集客のバランスは取れているか?
「安さ」よりも「費用対効果」を意識。
人通りや単価、回転率を合わせて考えることが重要です。
まとめ
美容師にとって「独立の場所選び」は、売上・集客・働きやすさを大きく左右する最重要ポイントです。
なかでも意識すべきは、アクセス・顧客動線・回転率の3つ。
とくに、都心のシェアサロンを活用すれば、低リスクで好立地を実現できるのが大きな魅力です。
一方で、郊外でコストを抑えるよりも、効率的に稼働できる環境を整えることが、結果的に成功への近道になります。
まとめポイント
- 出店場所は 「アクセス × 顧客動線 × 回転率」 で判断する
- 都心シェアサロン なら低リスクで好立地を実現しやすい
- 郊外の低コストよりも “稼働効率と安定感” を優先する
- 自分と顧客の両方が心地よい環境 を選ぶことが長く続けるコツ
独立とは「自分らしい働き方を実現するための選択」です。 その第一歩として、安心して始められる環境を選ぶことが何より大切です!
EMANONシェアサロン では、都心の主要駅徒歩3〜5分圏内に多数の店舗を展開。
フリーランス美容師が安心して独立をスタートできるサポート体制を整えています。
契約や利用料に関する詳細は、公式サイトをご覧ください。
自分に合った場所を選ぶことが、あなたの「続けられる独立」への第一歩です。


