美容師の独立完全ガイド!1年前からの費用・準備・タイミング・失敗回避まで徹底解説

「独立したい。でも、何から始めればいいか分からない」

そんなふうに感じていませんか?

美容師としての経験を積み、将来の働き方を考え始めた今、「もっと自由に働きたい」「頑張った分だけ収入に反映されてほしい」と考えるのはごく自然なことだと思います。

しかし実際に独立を検討すると、手続き・資金・顧客対応・店舗探しなど、やるべきことが次々に浮かび、不安になるのではないでしょうか?

そこで本記事では、1年間をかけて独立を目指すスケジュールを時系列で具体的に解説していきます。

情報はすべて現役美容師やシェアサロン運営者による経験・統計・実例に基づいた内容です。

フリーランス美容師として成功するには、「何を」「いつまでに」やればいいかを把握することが絶対に必要です。

なかでも、「EMANONシェアサロン」が公開している「独立の実情」「年収の変化」「独立時の失敗事例」は、本記事の土台になっています。

「これからの働き方を見直したい」「不安を減らして前に進みたい」と感じている方は、この1記事を最初のガイドブックとして、独立に向けた第一歩を踏み出してみてくださいね!

この記事でわかること

  1. 独立前に知っておきたい現実と落とし穴(失敗事例・年収の実情・準備の流れ)
  2. 1年前〜開業当日までのステップとToDoリスト
  3. 契約書・税金・保険・保健所などの手続きで注意すべきポイント
  4. スムーズに独立初日を迎えるための段取りと準備
目次

独立する前に、これだけは知っておきたい4つのこと

「独立して、自分のペースで働きたい」

そう感じる美容師は、ここ数年で確実に増えています。

けれど、理想だけで動き出すと「高確率でつまずく」可能性があります。

なぜなら、美容師の独立には自由と同じくらい、重い責任が伴うからです。

独立前に考えたい視点

  • 「毎月の家賃や材料費をきちんと支払えるか?」
  • 「そもそもお客様は来てくれるのか?」
  • 「売上が落ちたとき、どう立て直すのか?」

こうした現実的な視点を持たずに独立すると 「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクが高くなります。

だからこそ、この記事では独立前に必ず知っておくべき3つの視点をまとめました。

それが、次の3つです。

独立前に必ず知っておくべき3つの視点

  • 「どんな準備が必要か」
  • 「収入はどう変わるのか」
  • 「よくある失敗をどう防ぐか」

どれも耳が痛い内容かもしれません。

でも、「自分らしく働く」という目標を本当に実現するには、まず現実を知ることが第一歩です。

独立前に知るべきこと1|美容師の独立準備、何をする?

「独立=店舗を持つこと」ではありません。 

最近ではシェアサロンやフリーランス契約など、初期費用を抑えて1人で独立できる選択肢が増えています。

 実際、EMANONシェアサロンの調査でも「シェアサロンを活用した独立」が主流となっており、店舗を持たない働き方が広がっています。

 とはいえ、「なんとなく辞めてフリーに…」という流れでは、うまくいかないケースが多いです。 

方向性を決めずに動くと、収入が安定せず後悔するリスクも高まります

 だからこそ、独立準備ではまず働き方の方向性を決めることが重要です。 

そのうえで、以下の準備するべきことを洗い出しておきましょう。

独立前に準備すべきこと

  1. 資金管理
  2. 顧客への伝え方
  3. 今後の集客方法」 

「準備には最低でも3〜6ヶ月」はかかると考えておくと安心です!

 このあと時系列で詳しく説明していきますが、余裕のある準備期間こそが、成功のカギになります。

独立の準備方法やタイミングで悩んでいる方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。

開業に必要な準備(資金調達・物件探し・営業準備など)を5つのステップでわかりやすくまとめています。

独立前に知るべきこと2|美容師の独立開業にかかる費用

独立には想像以上の費用がかかる

これが最初に知っておくべき現実です。

なぜなら、営業を始めるためには物件や設備だけでなく、商材や広告など運営資金も必要だからです。

以下、ザックリですが独立開業時に必要な費用を並べました。

独立開業時に必要な資金

内容概算費用(税別)
シェアサロン利用料・保証金0〜10万円
内装・設備費
(店舗型の場合)
50〜200万円以上
道具・備品
(シザー・ドライヤー・クロスなど)
5〜15万円
薬剤・商材購入
(カラー剤・スタイリング剤など)
5〜20万円
広告・集客準備費
(名刺・SNS広告・プロフィール撮影など)
0〜5万円
資格・手続き費用
(管理美容師講習・開業届など)
1〜3万円
合計約 60万円〜260万円程度

運転資金(毎月かかる費用)

内容概算費用(税別)
家賃・利用料
(シェアサロン/小規模店舗)
3〜15万円
材料費
(薬剤・消耗品)
売上の約10〜20%
広告費
(SNS広告・予約サイト掲載費)
0〜3万円
その他雑費
(水道光熱費・消耗備品など)
1〜3万円
上記は以下データより算出しております。
金額:EMANONシェアサロン利用美容師ヒアリング(2024年)
厚生労働省「生活衛生関係営業経営実態調査(2023年)
全国生活衛生営業指導センター資料

上記の通り、独立開業には「開業費」「運転資金(毎月かかる費用)」と、多くのお費用がかかることを覚えておきましょう。

だからこそ少しでも費用を節約し、開業していきたいものですよね。

そこで昨今注目されているのが、シェアサロンを使った独立開業です。

以下、比較表を作成しました。

シェアサロン vs 店舗型の費用比較

項目シェアサロン店舗型
初期費用目安20〜50万円程度100〜300万円以上
内装・設備費ほぼ不要50〜200万円以上
道具・商材費10〜30万円程度30〜50万円以上
毎月の固定費(家賃等)3〜15万円15〜50万円以上
リスク低い高い

シェアサロンなら初期費用はゼロ

そう思っていませんか。

上記の通りシェアサロンの方が費用負担は低くなりますが、実際にはシェアサロン契約費用に加え、商材や広告・備品だけで20〜50万円程度かかるのが現実です。

ただ、自宅サロンや店舗型では内装・設備で100万円以上かかるケースも少なくないので、その点シェアサロンを利用して独立する方が現実的な選択と言えるでしょう。

シェアサロンを利用に加え、さらに費用を抑えたい方は以下のようなコツがあります。

費用を抑えるためのコツ

  • 中古備品を活用
    →シザーやワゴンなどは中古で十分
  • 商材は必要最小限に
    →開業時は人気施術用の基本ラインだけ
  • 無料集客をフル活用:
    →nstagramやLINE公式で広告費を削減
  • シェアサロンの備品を利用
    →ドライヤー・ワゴン・クロスなど貸出のある店舗を選ぶ
  • 補助金・助成金の利用
    →地域の創業支援制度を調べて活用

これらを取り入れることで、初期費用を数万円〜十数万円削減できるケースもあります。

独立前に知るべきこと3|美容師の独立で年収はどう変わる?

美容師独立すると、気になる点は「年収はどう変わるか?」ではないでしょうか。

実は、EMANONシェアサロンの利用のフリーランス美容師さんは、約90%以上が収入アップしたと答えています。  

一例として、月売上が100万円だった場合の月収をシミュレーションをご提示します。

対象は「正社員」「業務委託」「フリーランス(シェアサロン)」の3つです。

同じ売上でも、働き方によって手元に残る金額は大きく異なることが分かります。

正社員・業務委託 美容師では、ここまで売上→収入に直結しないので、フリーランスだと『売上が収入に直結する』点は大きな魅力ではないでしょうか。

なお、より詳しく美容師が独立した後の、リアルな年収の実態、働き方別の収益目安を知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

EMANONシェアサロンが実際の美容師の年収事情をできる限り調査した渾身の記事です!

独立前に知るべきこと4|美容師の独立で失敗する可能性は?

美容師の独立で失敗する可能性はあるのでしょうか。

私の知る限り、多くの美容師が独立でつまずく最大の原因は準備不足です。

「なんとなく勢いで独立したけれど、思ったより大変だった」というケースは少なくありません。

とくにありがちな失敗例としては、次のようなものがあります。

・顧客とトラブルになった
・契約や保険の知識がなく、あとから損をした
・税金や資金繰りの見通しが甘く、経営が苦しくなった

これらの失敗は、事前の知識と段取りでほとんど防げます

なお、美容師の独立で失敗しないための方法は、以下の記事もぜひチェックしてください。

美容室の倒産件数の現状や、独立でつまずく原因6選、そしてそれらを回避する方法まで詳しく解説しています。

「まだ不安だけど、動き出したい」という方にこそ、ぜひ参考にしていただきたい内容です。

1年前|方向性とキャリア設計を固める時期

独立の1年前は、自分はどんなスタイルで働きたいのかを明確にするタイミングです。

「とりあえず始めてみよう」と動き出すと、途中で迷いやブレが生じやすくなります。

 せっかくの経験や技術を活かすためにも、この時期に“土台”を整えておくことが大切です。

具体的には、次のような項目を整理しておきましょう。

独立後、どんなスタイルで働きたいのか?

  • どんな働き方をしたいか
    →週何日働くか/拘束時間/どんなお客様と向き合いたいか
  • 売上目標と生活費のバランス
    →理想の収入と、現実的な支出を照らし合わせておく
  • 店舗型 or シェアサロンで始めるか
    →投資額やリスクの違いを比較
  • 自分の強みをどう打ち出すか
    →メニュー構成/SNS戦略/接客スタイルなど

これらの軸が明確であれば、今後の判断や行動に迷いがなくなります。

逆に、理想があいまいなままでは、集客やブランディングにも一貫性が出ません。

「こんな働き方がしたかったわけじゃない」と感じる場面が増えてしまうかもしれません。

だからこそ、今のうちに“働き方の理想像”を言語化することが、スムーズな準備と成功への第一歩になります。

契約書の確認

独立を考え始めたら、まず最初に勤務先との雇用契約・業務委託契約内容をしっかり確認することが最優先です。

なぜなら、契約書の内容によっては、退社時にトラブルになったり、独立後の活動が制限される可能性があるからです。

特に独立を見据えている方にとって、契約内容の把握は“リスク回避の第一歩”になります。

例えば、以下の項目は最低限押さえておきましょう。

退職前に確認すべきこと

  • 顧客の引き継ぎはできるか?
  • 退社を申し出る場合の予告期間は何日前か?
  • 正社員の場合、有休消化はできるのか?

こうした取り決めを知らずに動くと、思わぬペナルティやトラブルに発展しかねません。

なんとなくで動き出すのではなく、今のうちに内容を精読し、不安な点は確認・相談しておくことが大切です。

退職・契約終了時の確認一覧

確認事項概算費用(税別)
正社員
退職申し出の時期
民法上は退職希望日の少なくとも2週間前に申し出れば退職できます。
円満退職のためには会社の就業規則に定められた期間(1〜3ヶ月前など)を守るのが望ましいです。
業務委託
業務委託終了の申し出
業務委託の退職は、まず契約書に定められた予告期間を確認することが最も重要です。
一般的には1ヶ月から3ヶ月前が多いとされていますが、契約書に記載がない場合はクライアントに相談して決めます。
契約書に定められた期間を守らないと、クライアントに大きな影響を与える可能性があり、損害賠償や違約金が発生するケースもあります。
有給消化
(正社員のみ)
原則、退職時に有給休暇を消化できます。
会社は有給休暇の取得を原則として拒否できません。
自分の有給が何日残っているのか、確認しておきましょう。
退職金
(正社員のみ)
退職金制度を設けることは法律で義務付けられていないため、退職金が支給されないケースもあります。
勤め先の契約書を確認してみましょう。
個人のSNSアカウント勤務先の美容院によっては、SNSアカウントを削除するよう求められるケースもあります。
今までの退職者の事例など、確認しておきましょう。
顧客への連絡勤務先の美容院によっては、LINEやInstagramでつながっている顧客への連絡は禁止されているケースもあります。
今までの退職者の事例など、確認しておきましょう。
独立のエリア勤務先の美容院によっては、退職後の営業エリアが制限されるケースもある(例:半径2km以内NG)
ケースもあります。
今までの退職者の事例など、確認しておきましょう。

独立前に必ず確認しておきたい「顧客トラブル」対策

独立で一番注意すべきは「顧客をめぐるトラブル」です。

サロン側との揉め事は人間関係の悪化につながり、最悪の場合は法的トラブルに発展するリスクもあります。

だからこそ、独立の1年前から準備を始めることが欠かせません。

特に「顧客を引き継げるのか/引き継げないのか」で取るべき戦略が大きく変わります。

顧客引き継ぎの可否と準備ポイントまとめ

顧客引き継ぎの可否と準備ポイントまとめ

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ケース主なリスクやるべき準備ポイント
顧客を引き継げる場合唐突な報告で不信感を与える
サロンとの関係悪化
顧客との信頼関係を1年前から築く
サロン側とも円満な関係を維持
「どこに行ってもお願いしたい」と思われる接客・技術
退職を伝えるタイミングを慎重に
顧客を引き継げない場合独立直後に顧客ゼロからのスタート
集客不振の不安
InstagramやLINE VOOMで作品投稿&自己集客
フォロワーと関係構築
少しずつファン化を進めておく
準備が難しい場合は支援型サロン(例:mirrorball)を経由する選択肢も有効

独立前に必須!カルテ整理と情報引き継ぎのポイント

独立すると、顧客情報はすべて自分で管理することになります。

在籍中はサロンが共有してくれていたカルテも、独立後はゼロから自分で仕組みを作らないといけません。

にもかかわらず、カルテ整理は後回しにされがち。

「どの範囲まで情報を持ち出せるのか」 を事前に確認し、持ち出せない場合も備えることが大切です。

カルテ整理・引き継ぎ方法まとめ

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ケース主なリスクやるべき準備ポイント
カルテを引き継げる場合情報がそのままだと活かせない
施術や接客が一貫しない
独立1年前から自分専用に再整理
デジタル+アナログ両方で活用
Vカルテ(アプリ/クラウド)で配合や変遷を記録
顧客ノートで会話や性格をメモ
美歴など共有ツールで信頼を可視化
カルテを引き継げない場合顧客履歴がゼロに
独立後に施術の質が落ちるリスク
施術履歴や薬剤を自分用に簡易メモ
接客で得た気づきを個人管理
「持ち出せない前提」で準備する
自分の言葉で観察や記録を残す

ここまで、美容師独立のよる退職・契約解除・カルテ引き継ぎなどを解説してきました。

不要なトラブルにならないためにも、独立前に慎重に確認しておきましょう。

なお、より詳しく美容師独立について知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。

独立前に必須!SNS・minimoを活用した集客準備

独立を成功させるために欠かせないのが「集客の仕組みづくり」です。

「技術はあるのに、来てくれる人がいない」 では理想の働き方は実現できません。

だからこそ、独立の1年前からSNSやminimoの運用を始めることが大きな差になります。

カルテ整理・引き継ぎ方法まとめ

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ケースメリット活用ポイント独立初期の向き不向き
Instagram無料で始められる
認知獲得に強い
作品+人柄をセットで発信
ストーリーズ/リールで日常感を見せる
価値観を言語化して伝える

(必須媒体)
minimo指名が入りやすい
口コミ・信頼が積み上がる
名前で掲載
口コミ返信を丁寧に
クーポンではなく「価値」を訴求

(リピーターづくりの土台)
ホットペッパービューティー認知度が高い月額2.5〜10万円以上必要
エリア依存・店舗契約が前提

(初期コスト高すぎ)
楽天ビューティー成果報酬型(固定費0円)1予約ごとに手数料10〜15%
電話予約は別途費用発生

(コスト面で制限あり)

独立準備の集客は 「無料〜低コストで自分らしさを出せる媒体」 が正解。

まずは Instagramとminimoを軸 にして「誰に」「どんな想いで」「どんなヘアを届けたいか」を発信しましょう。

それが共感を生み、独立後の安定したリピーター獲得につながります。

独立前に必須!エリア選定の考え方

独立で 「どのエリアに出すか」 は、集客と売上を左右する大きな決断です。

重要なのは 「自分の通いやすさ」より「お客様の通いやすさ」 を優先すること。

カルテ整理・引き継ぎ方法まとめ

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視点内容ポイント
顧客動線普段利用している駅や通勤経路、職場・自宅エリア接客中の会話で自然にヒアリングする
アクセス駅から徒歩5分以内、乗降者数の多い主要駅「通いやすい=また行きたい」に直結
立地条件今の勤務サロン近く
主要駅(新宿・池袋など)
生活圏の街(吉祥寺など)
既存顧客を引き継ぎやすく、新規も獲得しやすい
固定費家賃が高くてもシェアサロン・小規模物件で抑制可能無理に郊外を選ぶよりも好立地で固定客を増やす方が得策

東京のおすすめエリア例

エリアを検討する際には「顧客動線」や「アクセスの良さ」といった共通のチェックポイントがありますが、具体的にどの街が集客しやすいのかをイメージできると判断しやすくなります。

特に東京のように駅ごとに客層や街の雰囲気が大きく異なるエリアでは、それぞれの特徴を理解したうえで、自分のターゲットや提供したいサービスに合った場所を選ぶことが重要です。

以下に、独立美容師が開業しやすい代表的なエリアを紹介します。

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エリア特徴向いている層
新宿乗り換え需要が多く、平日昼も集客可能ビジネス層・学生
銀座
大人女性に強く、客単価アップが狙える
30〜50代女性
池袋学生〜ファミリーまで幅広い層新規獲得重視
吉祥寺住環境がよくリピートしやすいナチュラル志向層

エリア選びで最も大切なのは、やはり「自分の都合」ではなく「顧客目線」で考えることです。

お客様にとってアクセスしやすい場所にお店があれば、「また行きたい」という気持ちにつながり、自然とリピートや紹介が増えていきます。

一方で、家賃が高いからといって無理に不便な立地を選ぶ必要はありません。

シェアサロンや小規模物件を活用すれば、固定費を抑えながら好立地でスタートすることも可能です。

結果的にそれが、自分自身の働きやすさや安定した収入につながっていくのです。

なおEMANONシェアサロンでも、上記人気エリアでシェアサロンを複数出店しています。

シェアサロン一覧は、以下よりご確認いただけます!

独立後の売上を左右する!メニュー設計と商材選びのポイント

独立美容師として安定した売上をつくるには、メニューの設計・商材の選定・価格設定の3つをどう組み立てるかがカギです。

「得意な技術をどう打ち出すか」「どの商材を扱えるか」「価格をどう決めるか」――これらを独立前から明確にしておくことで、ブランディングやリピート獲得が格段にしやすくなります。

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項目独立後のポイント注意点・コツ
得意技術に絞る乗り換え需要が多く、平日昼も集客・「ショートカット」「透明感カラー」など強みを起点に設計
髪質改善・ヘッドスパなど高単価メニューは再来率UPに効果的
強み×需要×単価のバランスを意識
残す/切るメニューを取捨選択する
商材選び人気商材は正規契約が必要(オージュア、ケラスターゼ等)
使える商材をベースにメニューを逆算
独立後に「使えない」と判明するケースあり
事前にディーラーやシェアサロンに確認
価格設定客単価1万円前後を目安に設計
「1日○名×単価」で売上シミュレーション
安売りはNG(利益が残らない・客層が荒れる)
家賃・材料費・税金・生活費をカバーできる価格に
差別化戦略「完全マンツーマン」「待たせない」など体験で差別化

カウンセリング重視・上質商材使用を明記
価格ではなく体験設計で競合と差をつける
言葉で「価値」を伝える工夫をする

独立後の成功は「メニューを広げること」ではなく、強みを起点にした選択と集中にあります。

また、商材は「使えるかどうか」を逆算して選び、価格は「安売り」ではなく「適正価格」を徹底することが基本です。

さらに、差別化は価格ではなく体験設計で行うのが理想です。カウンセリングや完全マンツーマンといった「一人営業だからこそ提供できる価値」を前面に出すことで、リスペクトを持って通ってくれる顧客が自然と集まります。

メニュー・商材・価格をきちんと設計すれば、安定したリピーターと売上が積み上がっていくでしょう。

独立のタイミングを見極める!売上推移と退社時期の考え方

独立を成功させるには、「いつ辞めて、いつスタートするか」 の判断が欠かせません。

感覚だけで動くのではなく、売上の流れと生活基準をもとに冷静に見極めることが重要です。

売上ベースで考える独立後の見込み収入

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ステータス独立後に来てくれる割合見積もりの基準
業務委託スタイリスト約50〜70%経験豊富な人ほど割合は高いが、全員は来ない。SNSや信頼関係が鍵。
正社員スタイリスト約30〜50%売上がサロンブランド依存の場合は低くなる。

自力集客・リピーター率を要確認。

収入目安と生活水準

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月収ライン意味すること
30万円最低限の生活が可能。
まずはここを目指す。
50万円ゆとりのある生活が可能。
美容投資や交際費にも余裕。
70万円以上安定+貯蓄や自己投資も可能。
将来設計に余裕が出る。

独立の転換点となるサイン

  • 指名やリピートが安定してきた
  • SNSを通じた集客に手応えを感じる
  • 現職での成長実感が薄れてきた

これらが重なったときは、数字的にも精神的にも独立に進む準備が整いつつあるサインです。

「自分の力で売上をつくれる」感覚を持てたら、次のステージに進む時期と考えられます。

以下スケジュールに沿って、スケジューリングしてみてください。

STEP
退社から開業まで1週間〜10日の余白を確保

メニュー調整・契約・告知・手続きに時間が必要。休息期間も取ることでスタートの質が上がる。

STEP
逆算型でスケジュールを立てる

開業日を決め、そこから退社日・告知・契約・準備を逆算して配置する。

STEP
駆け込み予約ラッシュに注意

独立直前は「最後にお願いしたい」と予約が集中する。

ありがたい一方で疲労がピークに達しやすいため、準備と休息のバランスを忘れない。

独立のタイミングは「売上の数字」と「自分の気持ち」の両面で見極めることが大切です。

まずは生活を支える最低ライン(月30万円)を基準に収入を逆算し、顧客の移行率や集客力を冷静にチェックしましょう。

そして、準備と休息の時間をしっかり確保したうえで、「自分の力で売上をつくれる」と実感できたときが決断のタイミングです。

なお美容師独立のタイミングは、以下の記事でも詳しく記載しています。

独立準備で役立つ資格の整理

独立を目指すなら、必要な資格を早めに整理し、計画的に取得しておくことが大切です。

特に 「スタート時期を逆算して、いつまでに取るか」 を明確にしておくと、余裕を持って独立準備が進められます。

売上ベースで考える独立後の見込み収入

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資格必要性・メリット取得条件・学習方法
管理美容師免許美容所登録に必須(1店舗に1名以上)
シェアサロンでも形態によって必要
美容師免許取得後、実務経験3年以上
指定講習(約3日間)を受講
開催時期が限られるため退社前にスvケジュール組み込み推奨
簿記3級経理・確定申告の基礎を学べる
青色申告や経費計上を理解できる
税理士との会話がスムーズに
市販テキスト・アプリ・YouTubeで学習可能
スキマ時間を活用して独学しやすい

資格を取る目的は「肩書き」よりも、学ぶ過程で得られる知識を独立後の安心につなげることです。

  • 管理美容師免許は、独立やシェアサロン運営に直結するため、開催時期を確認して早めに取得計画を立てましょう。
  • 簿記3級はフリーランスの必須リテラシー。
    お金の流れを理解できれば、無駄な不安が減り、税理士との連携もスムーズになります。

資格は「独立の武器」であり「安心感の土台」です。

スケジュールを逆算して、計画的に取り組んでいきましょう。

6ヶ月前|実務準備と店舗選定

独立の半年前になったら、いよいよ現場に直結する準備を本格的に進める時期です。

このタイミングで考えるべきは、「どこで働くか(店舗)」と「何を使うか(道具・商材)」

つまり、お客様を迎えるために必要な「場所」と「ツール」を整えていくことが中心になります。

この半年で、サロンワークを支える環境と商材をひとつずつ着実に固めていきましょう。

使い慣れた商材の仕入れルートの確認

独立後の施術を支えてくれるのは、これまで使い慣れた薬剤やシャンプーです。

だからこそ、まずは「その商材を個人でも仕入れられるか」を確認しておくことが欠かせません。

確認すべきポイントは、次の3つです。

商材の仕入れの確認事項3選

  1. どのディーラーや問屋から仕入れできるか
  2. 個人名義で契約できるか
  3. 定価・卸価格・発注ロットなどの条件

同じ商材でも、独立した途端に取引できなくなる・価格が上がるというケースは少なくありません。

だからこそ、どのルートで・いくらで仕入れられるかを事前に調べておくことが大切です。

また、特定の薬剤に強いこだわりがある場合は、代替できる商材もリストアップしておくと安心です。

フリーランスとして使える薬剤や、仕入れに役立つ情報をまとめた記事もご紹介しています。

シェアサロンの選定

独立スタイルの主流となっているのが、シェアサロンを拠点にしたフリーランス営業です。

6ヶ月前には、気になるシェアサロンを複数見学し、自分に合った環境を探し始めましょう。

見学時には、以下のポイントをチェックしておくと安心です。

サロンによっては使用できる商材や設備に制限がある場合もあるため、自分の得意な技術が提供できるかも事前に確認しておきましょう。

シェアサロン見学時のチェック項目5選

  1. 設備の清潔感や動線の使いやすさ
  2. シャンプー台の種類(フルフラット・サイドなど)
  3. 薬剤の持ち込み可否、在庫管理ルール
  4. 個室か半個室か/利用できる時間帯や曜日の融通
  5. 報酬率・月額費用・最低利用日数などの契約条件
  6. キャリア変更プランはあるか?

フリーランス独立する時、気になるのは「ずっとフリーランスでやっていけるかな?」という不安ではないでしょうか?

その点、EMANONシェアサロンなら「キャリア変更プラン」をご用意。

フリーランス美容師→正社員・業務委託美容師に、柔軟にキャリア変更が可能です。

その点、他のシェアサロンとは大きく異なる点です。

詳しくは以下ページをご確認ください!

商材の選定で押さえるべきポイント

商材を選ぶときに大切なのは、「自分が何を使いたいか」だけではありません。

フリーランスとしてその商材と契約できるかどうかが、最も重要な判断軸になります。

人気ブランドの中には、法人契約しかできないものや、審査が厳しいものも多く存在します。

だからこそ、「独立後も使えるのか」を必ず事前に確認しておきましょう。

契約しやすい商材ブランドの例

契約のハードルが比較的低く、個人でも電子申請やWebフォームから申し込みが可能なブランドがあります。

初回購入セットの指定はありますが、導入はスムーズです。

  • ミルボン(一部)/ヴィラロドラ
  • デミ(フローディア・エレベート・デミドゥ)
  • ナプラ(N.・エミーム)
  • ブルーベルジャパン(ルネフルトレール)
  • フィヨーレ(プリフィカ)

契約が難しい商材ブランドの例

一方で、個人では契約が難しいブランドもあります。

紹介制や法人契約前提、サロン専売契約といった制限が多く、導入には強いハードルがあります。

  • ミルボン(オージュア・グローバルミルボン・インプレアなど)
  • アリミノ(コアミー)
  • ウエラ(システム)
  • 資生堂(サブリミック)
  • ルベル(see/saw・ルベルワンなど)
  • ホーユー(バイカルテ)
  • ロレアル(ケラスターゼ)
  • その他:E-STANDARD/oggi otto/ダヴィネス/レプロナイザー など

こうした商材は既存サロン経由でのみ導入できる場合もあり、個人での契約は難しいのが現状です。

「今の職場で使っているから独立後も使えるだろう」と考えるのは危険です。

実際には契約できないケースや、価格が大きく変わるケースも珍しくありません。

気になるブランドは必ずメーカーやディーラーに直接問い合わせ、契約可否を早めに確認しておくこと

さらに、希望ブランドが使えなかった場合に備えて、似た仕上がりの代替商材もいくつかリストアップしておくと安心です。

商材選びは施術クオリティだけでなく、独立後の経営の安定性にも直結する重要な準備です。

3ヶ月前|勤務先に退社を伝える

独立を決めたら、勤務先に退社の意思を伝える時期です。

とくに正社員や業務委託として働いている場合、退社までのルールや期間は契約書で定められていることが多いため、慎重な対応が求められます。

「直前まで言いづらくて黙っていた」というケースは、現場の人間関係や今後の活動に悪影響を及ぼすリスクがあります。

だからこそ、契約内容を確認し、円満に伝える準備を整えておくことが大切です。

このタイミングは、担当顧客の引き継ぎや告知にも関わるため、逆算して計画的に動きましょう。

正社員と業務委託の違い

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雇用形態退社の目安注意点
正社員
3ヶ月前の申し出が安心
(規則は1ヶ月前の場合も)
後任準備や顧客対応のため余裕が必要
店長・教育担当など責任ある立場は特に早めに
就業規則より「現場への影響を最小化」を優先
業務委託2〜3ヶ月前が安心
(契約上は1ヶ月前が一般的)
顧客引き継ぎや人員調整に影響する
トラブル回避のため契約+αの余裕を持つ
次の勤務先(シェアサロン等)の準備も進めやすい

退社のタイミングは、契約書どおりに動くことが大前提です。

ただし、現場や顧客に与える影響を最小限にする姿勢こそが、独立後の信頼にもつながります。

  • 正社員は「規則通りの1ヶ月前」よりも、3ヶ月前に伝える方が安心。
  • 業務委託は「1ヶ月前の通知」で足りるが、2〜3ヶ月前に伝える方がトラブルを防げる。

早めの申し出は、勤務先への配慮であると同時に、自分が独立準備を安心して進めるための保険でもあります。

顧客を引き継げる場合・引き継げない場合の対応

独立後に「退社=失客」とならないためには、事前の準備が欠かせません。

顧客を引き継げるかどうかで対応は大きく変わります。以下の表を参考に、それぞれのケースでの準備を進めましょう。

顧客対応の比較表

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雇用形態退社の目安注意点
顧客を引き継げる場合①連絡手段の確保
LINE個人/LINE公式/Instagram DM

②予約ツールを整備
STEKiNA・ミニモ・リザービア・LINE予約フォーム・Googleフォーム

③顧客への伝え方
「◯月で退社します。今後は◯◯で活動予定です。ご予約はLINEから!」と案内
予約導線を明確にする
「退社時期+今後の場所+予約方法」をセットで伝える
プロフィールや自動返信に予約URLを貼る
顧客を引き継げない場合2〜3ヶ月前が安心
①退社と時期を伝える
「◯月末で退社します。長くありがとうございました」

②出店予定エリアを伝える
「◯◯駅周辺で準備中です」など

③SNSでつながりを残す
Instagramアカウントを名刺やDMで案内
最低限でも「感謝+退社時期」は必ず伝える
エリアなど印象に残るキーワードを置くSNSで後から再会できる導線を残す

顧客を引き継げる場合は、**「連絡手段・予約導線・伝え方」をセットで整えることがリピートにつながります。

一方で引き継げない場合でも、「感謝・エリア情報・SNS導線」を残しておくことで、後から再び指名が戻る可能性があります。

どちらのケースでも「未来の再会を意識した導線づくり」が、独立後の安定につながります。

新しい勤務先(シェアサロン)を決め、契約を進めていく

シェアサロンへの移籍を決めたら、できるだけ早く契約準備を始めましょう。

気になるサロンがあれば、見学や体験利用を通して、自分の働き方や価値観に合うかどうかをしっかり確認することが大切です。

中でも特に重要なのが 契約書の確認 です。

シェアサロンは正社員サロンと異なり、家賃や保証、退去条件などのルールがすべて契約書に明記されています。

曖昧なまま契約してしまうと、後々トラブルにつながるケースも少なくありません。

契約前に必ず確認すべきポイント

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チェック項目内容注意点
歩合率・手数料売上に対する手数料の割合や支払いルール月末締め/翌月払いなど支払いサイクルも確認
光熱費・材料費共益費込みか個別負担かを確認消耗品の提供範囲もサロンによって差がある
解約条件通知期限や違約金の有無「1ヶ月前通知」など細かい条件を必ずチェック

シェアサロン契約は、「お金の流れ」と「退去条件」 を理解しておくことが何よりも大切です。

疑問点があれば遠慮せず契約前に確認し、曖昧なまま進めないようにしましょう。

契約書を自分の目でしっかり読み込み、安心できる状態でサロンワークをスタートさせることが、独立を成功させる第一歩になります。

契約書の重要性について、以下記事でも詳しく説明しています。

ご確認ください。

ディーラー選定



独立後は仕入れから在庫管理まで自分の責任になります。だからこそ、スタート前に“使える”ディーラーを固めておくことが欠かせません。

まずはシェアサロンが提携しているディーラーの有無を確認し、条件を把握しましょう。

既存のルートを使えば初期手続きがスムーズですし、これまで信頼関係を築いてきたディーラーがいれば、そのつながりを活かすのも有効です。

信頼できる担当がいれば、商材の相談や急配にも柔軟に対応してもらえます。

契約前に確認したいポイント

  • 売上に対する歩合率や手数料
  • 材料費・光熱費の扱い
  • 発注ロットや卸価格
  • 解約条件や違約金の有無

こうした条件を事前に押さえておくことで、後から「使えない」「高くなった」といったトラブルを防げます。

商材選びに迷ったときは、ディーラー大手のダリア社が発表している「人気商材ランキング」などの情報を参考にすると良いでしょう。

市場全体のトレンドや、他のサロンがどの商材を導入しているかが分かるため、ディーラーとの交渉や代替商材の検討にも役立ちます。

ディーラー選定は「自分が使いたい商材」だけで決めるのではなく、契約条件・供給体制・市場トレンドを総合的に見て判断するのが鉄則です。

特に人気商材は契約条件が厳しいこともあるため、代替候補を複数リストアップしておきましょう。

信頼できるディーラーと組めれば、仕入れの安定はもちろん、困ったときに相談できる“独立後のパートナー”として大きな支えになります。

1ヶ月前|勤務先に退社を伝える

独立を1ヶ月後に控えたこの時期から、いよいよ最終準備が本格化します。

とくに重要なのは、顧客への周知と手続きの最終確認

この2点をしっかり整えることで、新しい働き方への移行をスムーズに進めることができます。

退社日が近づくほど想定外の対応も増えるため、やるべきことを可視化し、ひとつずつ確実に進める姿勢が大切です。

焦らず着実に、独立後のスタートに備えましょう。

顧客への周知



フリーランスとしてのスタートに向けて、顧客への周知は最重要アクションのひとつです。

「いつから・どこで・どう予約できるのか」が明確でないと、リピート率が大きく下がる原因になります。

伝えるべき内容は以下の5点です。

周知内容具体例ポイント
営業スケジュール営業日・営業時間今までと変わる点を明確に伝える
店舗情報サロン名・住所・最寄り駅Googleマップのリンクも添付
アクセス方法駅からの道順・目印不安を減らすため詳細に書く
予約方法LINE公式・DM・予約サイト顧客にとって一番使いやすい導線を選ぶ
来店時の注意点インターホンの押し方・受付場所シェアサロンなら必須情報

顧客への周知は「場所」「時間」「方法」をセットで伝えるのが基本です。

紙ベースの配布やLINE公式での一斉送信など、顧客の年齢層や利用スタイルに合わせた手段を選びましょう。

しっかりと案内を整えておけば、独立初日からスムーズにお客様を迎えることができます。

独立後に必須の保険対策



フリーランスになると、万が一の備えもすべて自己責任になります。

特に施術中の事故やトラブルに備えた「美容師賠償責任保険」や「損害保険」には必ず加入しておきましょう。

たとえば、以下のような事故は、1件あたり数万円〜数十万円の賠償になることもあります。

施術中の事故やトラブル一例

  • カラー剤で服を汚してしまった
  • パーマ液で頭皮トラブルが起きた

予期できないトラブルだからこそ、保険があるだけで精神的にも金銭的にも安心です。

フリーランス美容師向けの主な保険比較

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保険制度加入条件保険料補償内容特徴
美容師賠償責任補償制度(全日本美容業生活衛生同業組合連合会)各都道府県の美容組合員であること約1,600円/年対人:最大5,000万円対物:最大300万円業界組合が提供する低コストの補償制度
店舗業務総合保険(サロン保険ネット)面貸し・業務委託・フリーランスOK見積もり制薬剤事故/衣服の汚れ/施設事故などフリーランスでも加入しやすく、補償範囲が広い
フリーランス美容師向け保険プラン(損保ジャパン×WITH HEART)WITH HEART会員年間8,900〜15,970円施術ミス賠償/示談交渉サービス付きサポートが手厚く、安心感が強い

さらに、会社員を辞めると 「国民健康保険」や「国民年金」への切り替え手続き も必要です。

これらも後回しにせず、早めに対応することで安心して独立スタートを切ることができます。

まとめ

  • 独立後は 施術トラブルに備えた保険加入が必須
  • 年間数千円〜1万円台で加入でき、万が一の賠償リスクを大幅に軽減できる。
  • 「美容組合の制度」「フリーランス向け保険」など、自分の働き方に合ったプランを選ぼう。

開業届・税金関係



開業届・税務面でのスタート準備も、1ヶ月前には整えておきましょう。

特に、フリーランス(個人事業主)の開業に伴って次の2つの提出が必要になります。

個人事業主 開業に必要な2つの書類

  • 税務署への「開業届」
  • 青色申告を行うための「青色申告承認申請書」

提出先は、いずれも最寄りの税務署です。

また、自分で帳簿管理をするのが不安な場合は、このタイミングで税理士を探しておくのがおすすめです。

SNSや税理士紹介サービスを活用すると、自分の業種や規模に合った人を見つけやすくなります。

保健所

シェアサロンであっても、美容師として施術するには「健康診断書」と「美容師免許」の提示が必要です。

健康診断は、提携しているクリニックがあるサロンもありますが、自分で予約する場合は余裕を持ってスケジュールを組みましょう。

また、美容師免許は原本またはコピーの提示を求められるケースがあります。

どちらもすぐに出せる状態にしておくことが、スムーズな契約のポイントです。

シェアサロン

退職前の1ヶ月は、実際に使うシェアサロンのルールや利用方法の最終確認が重要なタイミングです。

特に以下のポイントは、事前にスタッフや管理者に確認し、漏れなく把握しておきましょう。

◾️利用前に確認すべきこと(チェックリスト)

  • 鍵の受け渡し方法(時間・場所・人)
  • ロッカーやワゴンの使用ルール
  • 使用可能な備品の範囲(ドライヤーやクロスなど)
  • ゴミ出し・清掃の分担方法とタイミング
  • カラー剤などの商材保管ルール
  • 緊急時の連絡体制(トラブル時の連絡先)

こうした事前確認が甘いと、営業開始後に「聞いていなかった!」というトラブルにつながることもあります

また、顧客に向けて

  • 来店方法(地図・入り口・エレベーター)
  • 支払い方法(現金・カード・電子マネー)
  • 今後のスケジュール案内

などの資料を作成し、予約確定後にLINEやSNSで送るなどの導線づくりもこの時期に整えておきましょう。

「最初の数日間でバタついた」という声も多いため、

本番を想定した“事前リハーサル”の意識がカギです。

独立開業

いよいよ独立当日。

これまでの準備が整ったら、いよいよ「フリーランス美容師」としての第一歩を踏み出すタイミングです。

とはいえ、オープン初日からすべてが順調に進むわけではありません。

ここでは、独立初日に意識しておきたい3つのポイントを紹介します。

独立初日に意識しておきたい3つのポイント

  • 初日は“完璧”より“丁寧”を大切に
  • 予約導線・サロン案内は“何度でも”伝える
  • フリーランスは「運営」と「改善」を繰り返す仕事

それぞれ見ていきましょう!

① 初日は“完璧”より“丁寧”を大切に

独立初日は、「絶対にミスできない」「すべて完璧にこなしたい」と気負いすぎてしまうものです。

しかし実際には、慣れない環境で100%を出すのは難しいのが現実。

この日に大事なのは、「段取りの正確さ」よりもお客様とのコミュニケーションに集中することです。

準備や清掃などは時間に余裕を持って行い、焦らず丁寧に一人一人のお客様をお迎えしましょう。

② 予約導線・サロン案内は“何度でも”伝える

これまで何度も案内してきた内容でも、顧客側はうろ覚えになっていることが多いです。

「予約ってLINEで合ってたっけ?」「どのビルだったかな…?」

そんな不安を放置すると、当日のドタキャンや遅刻につながることも。

特にEMANONシェアサロンの記事では、”情報共有不足がトラブルの原因になりやすい”という事例が紹介されています。

だからこそ、初回のお客様には以下のような複数の導線で案内を繰り返す工夫が必要です。

  • 初回来店時に紙で渡す
  • ストーリーズや固定投稿で繰り返し告知
  • 来店後のお礼メッセージにリンクやマップを添付

「一度伝えたから大丈夫」は通用しません。

“忘れられない仕組み”を意識的につくることが、リピート率にも直結します。

③ フリーランスは「運営」と「改善」を繰り返す仕事

独立したからといって、準備が終わればすべてOK…ではありません。

むしろ、本当のスタートはここから。

日々の営業のなかで、以下のような小さな課題や改善点が見つかるはずです。

  • 予約の入り方にムラがある
  • 在庫や道具の置き場が不便
  • 施術の流れに無理がある
  • サロン側との連携がスムーズでない

そうした課題を見つけたら、「改善してまた動かす」ことの繰り返し

それが、フリーランス美容師としての成長そのものです。

SNSや顧客の声、売上の数字をヒントに、“自分に合った働き方”を少しずつ作り上げていきましょう

最後に


美容師の独立は、大きなチャレンジです。

でも、何を・いつまでに・どうやってやるかが見えていれば、怖さよりもワクワクや手応えの方が大きくなっていきます。

実際に独立した美容師の多くも、最初は不安を感じていました。

それでも少しずつ準備を進めたことで、
自分のペースで働ける自由さやお客様一人ひとりと丁寧に向き合えるやりがいを手に入れています。

もし今、独立を少しでも考えているなら、
焦らなくてもいいので、できるところから一歩ずつ始めてみてください。

あなたのこれからの働き方にとって、この1記事が最初の道しるべ”になれば幸いです。

要点まとめ

  • 1年前は方向性やキャリア設計を固める時期
  • 6ヶ月前には商材やシェアサロンを決定
  • 3ヶ月前には退社と引き継ぎ準備を開始
  • 1ヶ月前には保険・税金・顧客周知などの手続きを整理
  • 独立初日は「完璧」より「丁寧」を大切にする

どのステップも、「まだ早い」と思っているうちに時間が過ぎてしまいます。

逆に言えば、早めに動けば、準備は着実に整っていきます。

あなたの理想の働き方や、お客様との丁寧な関係づくりのために。

独立までの道のりを、自分のペースで歩んでいきましょう。

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